センサフュージョン
研究目的
人間の脳は, 従来から開発されてきたコンピュータとは異なり高い順応性を持つ. これは, 脳が神経系からなる閉じた系ではなく, 非常に多くの感覚器で外界からの情報を得て, 多数の運動制御機能を用いて外界に働きかけるという開放系であり, 外界との情報のやりとりを通じて適応能力や学習能力を高めていくことができるためである. このような感覚からの情報の流れは一つではなく, 層状構造をもつ多数の神経細胞により相互に情報をやりとりしながら並列に処理される. 結果として, 調和のとれた柔軟性・信頼性の高い認識・行動機能を実現することができる.
本研究では, 脳がもつこのような感覚と運動の統合機能に注目して, 実環境に対する柔軟な認識・行動の実現が可能な工学的な脳型処理システムを構築する. 特に, 人間の運動機能の中でも重要な役割を果たす「手」に注目して, 人間や従来ロボットの性能をはるかに超える超高速・高機能ロボットハンドシステムを構築する. 最終的に, ロボットの物理的な動作限界を極める超高速マニピュレーションを実現することを目標とする.
応用分野
FA・製造ラインの高速化・高精度化, ロボットの高速視覚制御 (高速位置決め, 無停止視覚制御,衝突回避), 柔軟対象物 (布や紐等) の制御, 自動車運転補助, 車車間・路車間制御, 群走行制御, 飛行体 (飛行機・ヘリコプター) の視覚制御・無人計画飛行, 空撮情報取得, ダイナミックな視覚制御によるビンピッキング, 低精度領域でのペグインホールの高速化と知能化, MEMSの視覚制御, 人間機械協調, 人間動作支援, ヒューマンロボットインターフェース, VR, AR, 医療ロボット, エンターテイメント等.
研究成果
感覚運動統合システム
- 「ロボットが投げたボールをロボットが打つ」システムの開発 (2009-)
- 高速キャッチングシステム (日本科学未来館常設展示) (2005-)
- 軽量高速多指ハンドシステム (2002-)
- 高速マニピュレーションシステム (2000-)
- 列並列ビジョン (CPV) による高速ターゲットトラッキングシステム (2000-)
グラスピング/マニピュレーション
- 高速アームを用いた新体操リボンの動的操り(2013-)
- 高速多指ハンドを用いたケーブル・コネクタの配線操作(2012-)
- ビジュアルコンプライアンスを用いた高速ペグ·アンド·ホールアラインメント(2012-)
- 高速多指ハンドによるカードの変形を利用した操り(2012-)
- 勝率100%のじゃんけんロボット(人間機械協調システムの実現)(2011-)
- 多指ハンドによる能動的3次元センシング(2011-)
- 高速多指ハンドを用いたピザ回し動作(2011-)
- ハンドアイビジュアルサーボによる高速トラッキング(2011-)
- 反転動作を用いた高速キャッチング (2010-)
- 2台の高速多指ハンドとスライダを用いた布の動的な折りたたみ操作 (2010-)
- 高速アームを用いた動的な線状柔軟物体の操り (2009-)
- 高速運動中の微小物体把持 (2009-)
- スキル統合に基づく結び目の生成 (2008-)
- 高速多指ハンド,高速視覚を用いた道具操り (2007-)
- 高速多指ハンドを用いた柔軟紐の片手結び (2006-)
- 波動伝播に基づく高速スローイング動作 (2006-)
- 高速打撃動作におけるボール制御 (2005-)
- 高速多指ハンドを用いたダイナミックリグラスピング (2005-)
- 高速多指ハンドを用いた高速ペン回し (2005-)
- 高速多指ハンドを用いた動的保持動作 (2004-)
- 多関節マニピュレータを用いた高速打撃動作 (2003-)
- 高速多指ハンドと柔軟指先を用いたソフトキャッチング (2003-)
- 高速多指ハンドを用いたダイナミックキャッチング (2002-)
- 高速視覚フィードバックを用いたダイナミックグラスピング (2001-)
ロボットビジョン
- 空中物体の3次元形状復元(2012-)
- 高速アクティブビジョンシステムによる位置計測の高精度化(2011)
- 人間-ロボット共存のための衝突回避 (2004-)
- 高速マニピュレーションのための多眼ビジュアルフィードバックシステム (2003-)
- 画像モーメント特徴量を用いた実時間3次元形状認識 (2003)
センサフュージョン/感覚運動統合理論
SORSTシンポジウム ロボット新世代 -感覚運動統合理論に基づく「手と脳」の工学的実現- が開催されました.
詳しいレポートは、こちら


