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誘電エラストマーを用いたマイクロレンズアレイ

概要

可変焦点レンズは焦点距離を変化させられる特徴を持ち、イメージング、オプトエレクトロニクス、およびバイオメトリックデバイスなどの用途に向けて研究開発がなされている。また、可変焦点レンズは、通常液体表面の曲率または2つの液体間の界面における屈折表面の曲率を制御することによって実現されており、ピエゾアクチュエータポンプ、エレクトロウェッティング現象、誘電泳動およびその他の方法によって集束点を制御することができる。しかしながら、液体で満たされた従来の可変焦点レンズと異なり、本研究では、誘電エラストマーアクチュエータ(DEA)に基づく可変焦点マイクロレンズアレイを構築する手法を研究し、それらを提案してきた。提案したレンズアレイは、実験により可変焦点性能を示した。柔らかい素材であるDEA材料がレンズ材料としての役割を果たすことも同時に示した。

誘電エラストマーに電圧を印加すると、電場は膜を横切るマクスウェル応力を引き起こす。そうした静電的圧力は、誘電エラストマーを圧迫し、厚さの減少および面積の増加をもたらす。マイクロレンズアレイパターンを有する2つの電極プレートを誘電エラストマーの上下に取り付け、制御可能な電圧源を接続した。 40×40mm角および厚さ1mmのアクリルエラストマー(3M、VHB 4910)をDEA材料として使用した。直径30mm、厚さ1mmの2つの電極(円形導電性ステンレス板)を、誘電エラストマーの上下に別々に配置した。 2つの電極は、放電を避けるために、2つの絶縁プラスチックプレート(40×40mm角、厚さ1mm、穴30mm)の穴に固定した。電極板は、9×9のレンズアレイパターンで作製され、各レンズセルのサイズは、直径1.5mmとした。電極板はDEAエラストマー上にしっかりと貼り付けられ、誘電エラストマーに電圧が印加されたとき、電極は膜を圧迫してレンズ形状を変化させることができる。レンズセルの焦点距離は、印加電圧を制御することによって変化する。

プロトタイプとして作製したマイクロレンズアレイの奥側に、深さ情報を持つ画像撮影用のターゲット(Edmund Optics、DOF 5-15 Depth of Field Target)を配置した。反対側にカメラ(Edmund Optics、EO-1312C、単色)をセットし、観察のためにマイクロレンズキット(Edmund Optics、EO-39686およびEO-55359)をカメラに取り付けた。単一レンズセルの可変焦点性能を確認するために、マイクロレンズセルの直径よりも少し大きい開口部を有する黒色の遮光板を、図1(a).に示すようにプロトタイプの上部に配置した。

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図1(a)マイクロレンズを有するカメラにより、マイクロレンズアレイのプロトタイプを介して、深度フィールド情報を有するターゲットが観察された。 1つのレンズセルの性能を確認するために、1つのセルの穴のサイズのみ穴を有する黒い遮光板を設置採用した。 (b)左上の画像は、DEAにゼロ電圧が印加されたときに撮影され、印加電圧が5kVのときに左下の画像が撮影された。 レンズセルの焦点距離が変化するため、画像の右側のピントが上の画像とくらべて下の画像が合っていることが確認された。

動画




電圧を0.0kVから5.0kVに変化させたとき、印加電圧を加えることによって、焦点が左から右へシフトした。

参考文献

  • Lihui Wang, Tomohiko Hayakawa, and Masatoshi Ishikawa, A fabrication method for variable focus micro lens array based on deformation of dielectric elastomer actuator, European Optical Society Bi-Annual Meeting (EOSAM) 2016 (Berlin, Germany. 2016.09.28)/ (Oral Session)

東京大学 情報理工学系研究科 システム情報学専攻 ・創造情報学専攻 / 工学部 計数工学科 石川渡辺研究室
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