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細胞の高速オートフォーカス (DFDi)

概要

顕微鏡下対象の計測や作業の自動化・自律化において, オートフォーカスの実現は最も重要な作業の一つである.というのも,顕微鏡の焦点面は非常に浅いため, 対象が数マイクロメートル上下に動いただけで画像がぼやけてしまい, 対象の情報を正確に計測することができなくなってしまうからである.

しかし,従来提案されてきたオートフォーカス手法は焦点位置を移動しながら複数枚の画像を計測し, その画像に含まれる空間周波数の成分を計測することで合焦位置を判断するもので, オートフォーカスには最短でも1秒程度の時間が必要であった.特に, ハイスループットスクリーニングなどの応用を考えた場合,この時間は遅すぎるものである.

そこで,特に細胞を対象として高速なオートフォーカスの実現を可能にする手法として、 Depth From Diffraction (DFDi)を提案した.この手法は対象を細胞に限定し, 細胞を平行かつコヒーレントな光で照明した際にその背後にできる干渉パターンを計測することで, 焦点面と細胞の奥行き方向の位置関係を一枚の画像から推定可能とするものである.これにより, 従来手法で必要であった,複数枚の画像を焦点位置を変えながら取得するプロセスを省くことが可能となるため, 高速なオートフォーカスを実現できた.

以下にゾウリムシを対象とした場合に観測される干渉パターンの写真を示す. 焦点面に前後して明暗の干渉縞の位置関係が逆転していることがわかる.

実際にDFDi手法を細胞のオートフォーカスに適用した結果は 微生物の3次元トラッキング に示されている.

Photographs of diffraction patterns of a paramecium.

参考文献

  1. 牧瀬壮四郎,奥寛雅,石川正俊:回折像を用いた細胞群深さ位置の広範囲・高速推定手法, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会'07 (ROBOMEC 2007) (秋田,2007.5.11)/講演論文集,1A2-N02
  2. Hiromasa Oku, Masatoshi Ishikawa, Theodorus, and Koichi Hashimoto : High-speed autofocusing of a cell using diffraction pattern, Optics Express 14, pp.3952-3960 (2006)
  3. http://www.opticsinfobase.org/abstract.cfm?URI=oe-14-9-3952
  4. 牧瀬壮四郎,奥寛雅,石川正俊:回折像を用いた細胞群に対する高速なオートフォーカスの研究, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2006(ROBOMEC 2006) (東京,2006.5.28)/講演論文集,1A1-C28
  5. Hiromasa Oku, Theodorus, Koichi Hashimoto and Masatoshi Ishikawa : High-speed Focusing of Cells Using Depth-From-Diffraction Method, 2006 IEEE International Conference on Robotics and Automation(ICRA 2006) (Orlando, 2006.5.18)/Proceedings, pp.2626-2641 [PDF (716K)] *IEEE
  6. 奥寛雅,Theodorus,橋本浩一,石川正俊:回折パターンを用いた細胞の高速フォーカシング, 第6回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2005) (熊本,2005.12.16)/講演会論文集,pp.121-122
  7. Theodorus, Hiromasa Oku, Koichi Hashimoto and Masatoshi Ishikawa : Optical axis tracking of microorganism using high speed vision, Focus on Microscopy 2005 (Jena, 2005.3.22)/Program and Abstract Book, pp.105

東京大学 情報理工学系研究科 システム情報学専攻 ・創造情報学専攻 / 工学部 計数工学科 石川渡辺研究室
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