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スティッキーライト:レーザーを用いた局所特徴の抽出と制御

概要

レーザーによるスポットライトが、紙に描かれた模様で跳ね、模様の囲いから飛び出そうとします。このシステムにはカメラやプロジェクタがいっさい使われていません。Sticky Lightでは、ユーザーはレーザーで映し出された点にそのまま触れ、インタラクションすることができます。だから、素手でピンポンだってできちゃうんです。このようにスポットライトの性質や柔軟な動きを通じて、他では味わえない体験が創出されます。Sticky Lightの基盤技術には、1つのレーザーダイオード、1組のステアリングミラー、1つのフォトディテクタからなる"smart laser scanner"と呼ばれる技術を用いています。"smart laser scanner"は2003年に我々の研究室で開発された3次元トラッキングシステムです。(詳細はこちら)スムーズに、柔軟に動きつつトラッキングを行うための十分な解像度をもった画像センサーや、光源がついたカメラやプロジェクタが既存のものになかったため、ハードウェアも独自のものを用いています。(レーザーの電源は0.5mW以下であり、あまり強力でないレーザーポインタの半分程度なので危険性は低くなっています)探索範囲にインタラクション対象がない場合は、レーザードットが指、手、図形などの物体を探索するまで探索範囲を広げてゆきます。この探索のプロセスが端から見ていて愛らしいくなるように設計されているため、ユーザとスポットライトとの間に自然とインタラクションが生じるようになっています。

インスタレーションとしてみると、このシステムで一番興味深い点は、紙に描かれた絵画の鑑賞する際に、照明が潜在的に絵画の見方の手がかりとなっていることです。自然光も人工光も基本的に我々が見たいものをいつも必ず照らし出してくれます。本システムではスポットライトの性質、また位置と角度によって描かれたものの知覚のされ方が変化します。実際のところ、光源自体は消極的な動作をしている訳ではありません。知覚された作品と、概念のレベルでインタラクションし見方を変化させているのです。このインスタレーションでは、次のような効果が特徴的です。描かれたものとの間へ、新たなインタラクションの方法を提示する。描かれたものを読み取り、その輪郭を辿ったり色の違いで跳ねたりすることでその絵画を拡張する。絵画の上を動くことで、スッポトライトは視聴者の注意を惹き付ける。つまるところ、我々はレーザー光によって動的に生成された経路で絵画を見てしまうわけなんです。

 

HCIの研究としてみれば、(現状では既にMEMSマイクロミラーを用いて非常に小型化されている)このシステムを用いて、デザイン、広告、拡張現実アーキテクチャ、エンタテイメント、HCI、ユビキタスコンピューティング、(もうすぐ実現されるであろう)身近なものとインタラクションできるようにするウェアラブルディスプレイなど、非常に多様な分野においてアプリケーションが提示できることが挙げられます。

動画

参考文献

  1. Alvaro Cassinelli, Yusaku Kuribara, Stephane Perrin and Masatoshi Ishikawa, Sticky Light showcased at Ars Electronica - Tokyo University Campus Exhibition(HYBRID EGO), Linz, Austria, 4-9 Sept. (2008). Ref: Campus Exhibition catalog [PDF-4MB].
  2. Check a more complete page here: http://www.k2.t.u-tokyo.ac.jp/perception/StickyLight/StickyLight.html
東京大学 情報理工学系研究科 システム情報学専攻 ・創造情報学専攻 / 工学部 計数工学科 石川奥研究室
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