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空中像形成技術を用いた遮蔽に頑健な3次元計測

概要

対象の空間的な3次元位置や形状を取得する3次元センシングは,外界環境の空間把握において必要不可欠なものであり,数十年に渡って様々なアイディアが試されてきた.しかし,その多くは,カメラが実世界の1点と画像上の1点を1本の光線で結ぶことを起点とした発展であり,同幾何拘束を超えられない点で構造的な限界があった.具体的には,画像センシングの時空間的な解像度の向上を進めても,対象とカメラの間に遮蔽物があると情報を捉えることができないというボトルネックを抱えている.これに対して,ライトフィールドを捉えるビジョンを用いて僅かに視点を切り替える研究や,超高フレームレートのカメラが捉える光の反射分布から遮蔽物の向こう側の対象物を推定する研究があるが,十分な解決策ではなかった.このほか,超音波や磁気などを利用することで解決する可能性もあるが,光を用いた場合と比べて達成できる空間精度が低い問題が物理的に回避できない.

本研究が着目する問題は,「特定の3次元位置の情報のみを遮蔽物の有無に関わらずカメラ上で捉えることができるか」である.これは,あたかも空間の1点1点に,その位置に物体が存在するかどうかを識別するセンサが仮想的に設置された状況を実現するものであり,従来のカメラの観測方式とは抜本的に異なる構造を目指すものである.しかし,同問題は,実世界の計測点と画像面の観測点が1本の光線のみで結ばれる構造では基本的に解くことができない.

そこで,本研究では空中像形成技術に基づいた能動型3次元センシングの新原理を新たに構築し,問題の解決にあたる.空中像形成技術では,あらゆる方向からの光が局在化することで,視点に応じた3次元像を空中に形成するものであるが,この光線の構造は,能動型3次元センシングの投影系と観測系の両面においても利用できる可能性が高い.投影系は実世界上の任意の位置でのみ反射光を形成する光の場を形成し,計測系は投影系とは逆方向の原理によってこの反射光を新たな場所へ転送することで,遮蔽の影響なく,さらに一意にその場所を画像面から特定することができると考えられる.本研究では,このような目的の下,投影と撮像の両方で遮蔽への頑健性を備える能動型3次元計測のシステム構成を明らかにするとともに,実験によりその性能を評価する.






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参考文献

  1. Masahiko Yasui, Yoshihiro Watanabe, and Masatoshi Ishikawa: Occlusion-Robust 3D Sensing Using Aerial Imaging, IEEE International Conference on Computational Photography (ICCP 2016) (Evanston, 2016.5.15)/Proceedings, pp.170-179 (2016)
  2. 安井雅彦,渡辺義浩,石川正俊: 構造化光空間を用いた遮蔽に頑健な浮遊型入力機構の提案,第16回システムインテグレーション部門講演会, (名古屋, 2015.12.14)/講演会論文集, pp.0366-0370 (2015) SI2015 優秀講演賞
  3. 安井雅彦,渡辺義浩,石川正俊: 空中像形成技術を用いた構造化光空間による3次元計測手法の提案, 第20回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集, 21D-3, pp. 249-252 (2015)

東京大学 情報理工学系研究科 システム情報学専攻 ・創造情報学専攻 / 工学部 計数工学科 石川渡辺研究室
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