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ZoeMatrope: マテリアルデザインのための実体ディスプレイ

概要

コンピュータを用いたプロダクトデザインの現場やインターネットショッピングにおいて 製品の色や光沢などの質感を確認するために,リアルな質感表現が可能なディスプレイが求められている. しかし,従来のディスプレイは解像度やダイナミックレンジに限界があるだけでなく, 実世界におけるユーザーの視点や光源の位置に応じた表示を行わないため, 質感を十分に表現できているとは言えない. 本研究では,このような問題の解決に向けて実物体を利用した質感ディスプレイZoeMatropeを開発した. ZoeMatropeは質感の提示原理に人間の目の特性と実物体を利用しており, 人間の目には現実同等の解像度やダイナミックレンジ、視点光源依存性をもった質感を提示することができる.

 1. 質感のリアルな再現

今回開発した質感ディスプレイは質感提示にソーマトロープ,ゾートロープと呼ばれる玩具の原理を応用している. ターンテーブルに配置した基底となる質感をもつ複数の物体を高速に回転させ, 回転に同期させた光源で照らすことにより,これらの基底を合成した質感を提示することができる. また,光源の発光時間を1us単位で高速制御することにより合成の比率を変え, 質感のアニメーションを実現している.人間の目には実物体が重畳された像が見えるため, 超高解像度,超広ダイナミックレンジ,完全な視点光源依存性を達成することができる. 高速プロジェクタDynaFlash を利用することで,空間的に一様でない質感をもつ物体の提示も可能である.


 2. 最適化された基底

様々な質感をリアルに提示するには基底となる質感を適切に選択し,さらに, これら基底の合成比率を適切に決定する必要がある. 本研究では目的の質感と合成可能な質感の差を定式化し,これを混合整数線形計画により最小化することで 最適な基底と合成比率を求めている.本手法は質感の様々な要素の基底と合成比率の 決定に応用することができ,少数の基底で幅広い質感をリアルに表現することを可能にしている.


 3. 拡張質感の提示

今回開発した質感ディスプレイは現実にある質感だけでなく,一般には存在し得ない Augmented material(拡張質感)を提示することができる.例えば,アルファチャンネルを持った 半透明の物体や,光源によって異なる質感を示す物体等である. 本システムはこれらの拡張質感を一般的な質感と同等に扱い,共存,アニメーションさせることができるため, アートや広告,AR・VRにおける没入感の高い新たなメディア表現として利用することができる.





動画




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参考文献

  1. L. Miyashita, K. Ishihara, Y. Watanabe and M. Ishikawa : ZoeMatrope: A System for Physical Material Design, ACM Transactions on Graphics, Vol.35, No.4, 66:1-66:11 (2016)

東京大学 情報理工学系研究科 システム情報学専攻 ・創造情報学専攻 / 工学部 計数工学科 石川妹尾研究室
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